【白黒映像のカラー化に再発見する、色のちから】

  • 2014.10.12 Sunday
  • 11:59

ETV特集「よみがえる色彩〜激動の20世紀 アーカイブ映像の可能性〜」

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激動の20世紀は、出来事の多くが初めて映像に記録された「映像の世紀」と呼ばれ、さまざまな地域に膨大な映像が残された時代です。しかし、その多くを占める白黒の映像は、見る人に、出来事が「過去」のもので、「自分と関わりがない」と感じさせやすいとも言われています。

その意識をくつがえしたのが「白黒映像のカラー化」です。2009年、ヨーロッパで制作され、日本を含む世界の165か国で大きな反響を呼んだ番組「アポカリプス(邦題:カラーでよみがえる第二次世界大戦)」は、ナチスドイツの旗の赤から、日本兵が苦しんだジャングルの緑に至るまで、綿密な考証に基づいて当時の色彩を再現。第二次世界大戦の世界が、感触や奥行きを取り戻し、私たちの前に立ち現れました。(以下略)

(NHKホームページより)
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テレビをつけると、たまたまやっていたNHKのETV特集
「よみがえる色彩〜激動の20世紀 アーカイブ映像の可能性〜」

これは…衝撃でした。

カラー化の技術やその意義に対して、というよりも
「色って、ここまで力のあるものだったのか!」という再発見と驚きです。

正直なところ、白黒映像のカラー化の工程は意外とアナログだな、という感想を持ちました。
失礼な言い方かもしれませんが、昔あった白黒写真に無理やり着彩したもの(手彩色絵葉書)と、あまり変わらないような気がします。(ネットに頼らない念入りな時代考証、CGとは言え手作業に近い着彩など、いい意味でもアナログだ、ということです)
でも、だからこそ、映像に少し色がついただけでここまで印象が変わるのか!という気づきが強調されました。
完璧なカラー化とは言えない部分も、頭の中で補完されて想像力がかきたてられるという点では、ある意味効果的なのかもしれません。

何にせよ、色が着くことで再現される…空気感がすごい!

私がテレビをつけた時にやっていたのは、
1920年代のパリの白黒映像をカラー化したもの。
そこになんと、ルノワールやモネの晩年のお姿が!
白黒写真では見たことがあったけれど、
カラー映像となると、存在が実に…生々しい。
歴史上の人物が「そこにいる」。
「へ〜この人、ほんとにいたんだ」と思ってしまう。

色って、こんなにも
生臭く、
下世話で、
強欲で、
表情豊かで、
まぶしいものだったんだ

グランド・ジャット島の日曜日の午後

手の届かなかった高尚なものが、降りてくる感じ。
いや、欲望などの脂ぎったものにまみれて落ちてくる感じ、と言ったらいいだろうか。

「色はこわいもの」だとゲストの人も何度か言っていました。
歴史観を左右する映像のカラー化には、注意も必要だと。

芸術においては白黒(モノクロ)、カラー、それぞれの良さがありますが、
例えば、白黒をかっこよく、おしゃれで、ストイックに感じるのは、
世界が、現実が、色に溢れているからこそ。

精神世界など、現実や肉体との距離感を表現するのに、白黒がふさわしく感じるのもおなじこと。

もう、めまぐるしくいろんなことを考えさせられる番組でした。

2014年10月18日(土)午前0時00分〜(金曜深夜)
また再放送するとのこと。
(今度は録画しないと!)

よろしければ、一度ご覧ください。

【お盆】

  • 2014.08.05 Tuesday
  • 11:31


【お盆】

盂蘭盆経に基づき、苦しむ亡者を救うために7月15日に行われた中国の仏事が、日本に伝わって初秋の魂(たま)祭りと習合し先祖霊を祭る仏事となった。迎え火・送り火をたき、精霊棚に食物を供え、僧に棚経を読んでもらうなど、地域によって各種の風習がある。現在一般には8月13日から15日に行われるが、7月に行う地域も多い。(『大辞林』より)

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上記のように、お盆は中国の仏事と日本の民間の祖霊信仰が複雑に合わさったもので、純粋な仏教行事ではありません。
その証拠に仏教の考え方から見ると大きく矛盾したところがあります。

ひろさちや氏の著書「仏教と神道」からの受け売りですが、仏教であれば、ご先祖様はすでに極楽浄土におられるか、あるいは輪廻転生により生まれ変わっておられるはず。

お盆にお迎えする霊魂(精霊)は存在するはずがないのです。
(そう考えると幽霊の存在も、仏教ではありえないものですね。)

「先祖の霊を迎える」という風習は神道の、と言うより日本古来ものなのです。

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また現在「お中元」と呼ばれる夏の贈答は、もとは「盆歳暮」「盆供」の習慣が一般化したもの。
「中元」とは旧暦7月15日のことで、もとをたどれば道教の習俗であったそうです。
実に様々な宗教が見え隠れするお盆の成り立ちは、日本らしいと言えば日本らしいですね。

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柳田国男氏の民俗学によると、日本人には山中他界観という死生観が根付いているそうです。
ですからお迎えする精霊は、山の方からやってきて、海の向こうに帰って行かれると言います。(灯籠流し)
日本人にとって死者とは、全くの別世界に行ってしまうのではなく、同じ次元から、いつでも私たちを見守ってくれている存在なのかもしれません。

そしてお盆には、自分たちまで命を受け継いでくれたご先祖様をより近くに迎えてお祀りし、さらに日頃お世話になっている人を訪問して贈り物をする…

日本のお盆とは、世代や生死を超えた様々な恩に感謝するための、あたたかい行事なのですね。

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【ミュージカル 「アトム」】

  • 2011.10.11 Tuesday
  • 22:41

【ミュージカル「アトム」】

機会があって、
俳優たちの汗までが見えるような席でミュージカルを満喫してきました。

わらび座によるミュージカル「アトム」
手塚治虫の、鉄腕アトムです。

といってもこのミュージカルで描かれるのは、件の「アトム」はすでに姿を消し、
伝説のロボットとして語られるようになった時代の物語。

私は手塚治虫が好きなあまり、
手塚作品の実写化や舞台化にはあまり満足したことがなかったのですが、
これは手塚作品への愛を感じる、とても感動的な舞台でした。

愛と勇気と友情と…何を今さらと照れてしまうような言葉も、
アトムからのメッセージだと思えば、素直に受け入れ、心を震わせることができるのですね。

子供のころに鉄腕アトムに触れた世代にとって、
アトムは「愛と勇気と友情」の共通言語、シンボルですから。

この偉大な共通言語を効果的に使い、わかりやすいシンプルなストーリーで訴えかけてくるので、メッセージがすとんと心の中に落ちてきます。

タイトルに添えられたキャッチコピー
「僕たちは愛から生まれたと、信じたい」
人間の手によって創り出されたロボットたちの立場に立つと、この言葉が印象深く…

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「暴力で何かを解決したことがあったか」
「悲しみからなぜ憎しみが生まれるんだ。悲しみからなぜ優しさが生まれないのか」

お茶の水博士の弟子として登場する町子博士が必死に訴える言葉です。

今の時代、こんなことを言ったらすぐに「あまい」「きれいごと」「平和ボケ」と一蹴されそうですね。
例えば専門家に核兵器や原発、ひいては戦争の必要性なんて説かれてしまうと、
素人の私たちには反論しようがない。
自分の無知が露見してしまいそうで、何も言えなくなる。

でも本当はみんな気付いているのではないでしょうか。
「力で心を押さえつけるなんて間違っている」
少なくとも私はそう思います。

舞台の上のロボットたちは、叫びます。
「人生ってすばらしい」
このミュージカルではそんなシンプルなメッセージを
私たちに代わって、歌い、踊り、叫んでくれます。

登場人物(ロボット)はほとんどが手塚作品には出てこないオリジナルキャラクターですが、
手塚治虫のキャラクターとして、全く違和感がありません。

手塚治虫の生み出したキャラクターたちの熱い声が、
時を超えて聞こえてくるような、そんな舞台でした。

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【アトム:「鉄腕アトム」】

昭和26年、『少年』連載の『アトム大使』に登場以来、大シリーズ『鉄腕アトム』として、雑誌で本でテレビで映画で圧倒的な人気を誇った10万馬力の少年ロボット。手塚漫画の代名詞とも言えるキャラクターです。けれど、一般的には元気いっぱいの正義の子で、原子融合システムによる10万馬力(のちに100 万馬力にパワーアップ)のロボットで科学万能主義のように思われていますが、手塚治虫がアトムに演じさせていたのは、科学と人間は本当に共存できるのだろうか? というメッセージでした。七つの威力で敵を倒すアトムは、ロボットであるがゆえに人間たちに迫害される悲劇の子でもあります。この二面性がアトムと言うキャラクターの持っている「男の子」のようでもあり「女の子」のようでもある個性の源となっています。(アトムの原型となったのは『メトロポリス』の空を飛ぶ女の子型ロボットと横井福次郎の10万馬力のロボット「ペリー」です。つまり誕生の時からずっと、男の子のようでもあり、女の子のようでもあるキャラクターだったわけです。)このファジーさが、人間よりも人間らしいハートを持っているけれど、ロボットとして差別される存在、というアトムの背負った十字架につながっています。ちなみにピンッとオッ立った髪の毛は、手塚氏自身の髪の寝癖がヒント。
(『手塚治虫 公式サイト』より)

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